タケミナカタが逃げてきた諏訪湖
諏訪大社の公式ホームページには、ご祭神は「お諏訪さま」「諏訪大明神」とされています。タケミナカタの名が明記されていないのです。
国作りをした偉大なオオクニヌシ直系の息子なのですが、なぜタケミナカタの名を明記しないのでしょうか?
諏訪大社のご祭神タケミナカタと出雲の国譲り
高天原のマテラスの詔
「葦原中国は、わが子アメノオシホミミノミコトが治めるべきである」
アマテラスは、葦原中つ国(あしはらなかつくに)の統治者であるオオクニヌシの元へ遣いを送りました。しかし、1度目は3年、2度目は8年とその確認ために持つ会を出しました。しかし、何の進捗もなかったのです。
そして、4度目がタケミカヅチの派遣です。
タケミカヅチはアメノトリフネを伴い、出雲の稲佐の浜に降り立ちました。そして、オオクニヌシと対峙したのです。
オオクニヌシの直系の2人の息子
オオクニヌシはタケミカヅチに二人の息子の承諾を得たい、と伝えます。すると、兄のコトシロヌシはすんなり受け入れましたが、弟のタケミナカタは受け入れません。
タケミカヅチ vs タケミナカタ
千人で持ち上げるような大きな岩を手の先で弄びながら、タケミナカタがタケミカヅチのところにやってきました。
「わが国にやってきて、国を治めるのは高天原の神御子だとか言ってきたのは誰だ。では、私と力比べをしようではないか」と言うと、タケミカヅチと対峙します。
まず、タカミナカタがタケミカヅチの手を取ると、その手はたちまち氷の柱となり、さらに剣となってタカミナカタを襲いました。さすがのタカミナカタも、恐れをなして一歩退きました。
今度は、タケミカヅチがタカミナカタの手を取ると、まるで葦の葉を握りつぶすようにペシャンコにし、遠くへ投げ飛ばしました。タケミナカタは命の危険を感じ、長野県の諏訪湖まで逃げていきました。
追ってきたタケミカヅチは、タケミナカタを追いつめ殺そうとします。とうとう、タカミナカタは許しをこいます。
「どうか、殺さないでください。今後、この諏訪から外へは出ません。父オオクニヌシにも背きません。兄コトシロヌシの言うことも聞き、葦原中つ国は天つ神御子に献上いたします」
諏訪大社のご祭神の謎?
諏訪大社のご祭神は、一般的にはこのタケミナカタと言われています。
しかし、諏訪大社の公式ホームページには、ご祭神は「お諏訪さま」「諏訪大明神」とされています。タケミナカタの名が明記されていないのです。国作りをした偉大なオオクニヌシ直系の息子なのですが、逃げてきた神では格好がつかないと考えているのでしょうか?
一方、タケミナカタを打ち負かしたタケミカヅチは、鹿島神宮のご祭神になっています。