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タカオカミとクラオカミの神とは?

タカオカミの神は「高龗神」、クラオカミの神は「闇龗神」と表記されます。

「愛するイザナミの命を、たった一人の子の命とかえるとは思いもしなかった」

カグツチを生んだイザナミは、子カグツチの火力でほと(女陰)をやけどし、死んでしまいました。イザナギはイザナミの亡骸を埋葬しましたが、悲しみはいつまでも癒えません。

ついに、イザナギの悲しみは怒りに変わり、十拳剣(とつかのつるぎ)を手に取ると、カグツチの首をはねました。

『日本書紀』では、この時カグツチの血からクラオカミの神が生まれたとあります。

タカオカミ(高龗神)
「高」は高い峰・天の高み。そこにあって雨を司る山の神、雷神、龍神が、タカオカミの神です。

クラオカミ(闇龗神)
「闇」は、昼でも暗い木々に覆われた森や谷をイメージさせます。鬱蒼とした峰の中を渓流となって流れる水に宿る神です。

稲作と関係が深い神

日本には数多くの雨乞いの神様がいます。代表的な神さまがタカオカミ神で、その本来的な性格は水の女神です。この神は雨乞いの神として、稲作と深く関係する雨水、水田に利用される川の水をつかさどっています。

もともとはそれぞれの小さな川の神や雨の神として記られていたものが、やがて水の神として統一神格を与えられるようになりました。それがタカオカミ神のでしょう。

ところで、一般的に雨をもたらすのは雷神であり、それが水となって川に流れるとき龍神に変わります。民俗的な水の神は、雷神や龍王・龍神として信仰されています。

貴船神社のご祭神がタカオカミとクラオカミの神

タカオカミ神をご祭神とする神社は、京都の貴船神社を本源とする貴船社系を中心に全国に分布する約300社にのぼります。京都の貴船神社は丹生川上神社と並び、古くから朝廷によって祈雨・祈晴の神として崇敬されていました。そして、水の神として農業、醸造、染織などの業種の信仰も集めています。

ご神徳は祈雨・祈晴、豊水安全のほか商売繁盛や夫婦和合など。

貴船神社・有名な灯篭の階段