ご祭神 宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)
稲の精霊を神格化した神です。俗称、お稲荷さん。
宇迦「ウカ」は穀物・食物の意味で、「米などの五穀を司どる神」と考えられます。また「ウカ」は「ウケ」(食物)の古形で、伊勢神宮外宮[豊受大神宮]のトヨウケ大女神にも通じます。
『古事記』
ウカノミタマは、スサノオがクシナダヒメの次に娶ったオオヤマツミの娘オオイチヒメとの間に生まれます。
『日本書紀』
本文には登場しません。神産みの第六の一書において、イザナギとイザナミが飢えて気力がないときに、飢えを感じてウカノミタマの神を生んだとされています。
『山城国風土記』
和銅四年(711)、秦氏の遠い祖先の伊侶具(イロク)の秦君は、稲作で大いに富んでいました。ある時、餅を的にして矢を射たところ、餅は白い鳥となって飛び上がり、お山の峰に降りました。ここに稲が生えたので、神社を創建して伊奈利(いなり←いねなり)を社の名前としました。
稲荷社のご祭神は、ウカノミタマの神以外にトヨウケ大女神、ワカウカノメ命、ウケモチ命、オオゲツヒメ命、ミケツ神などを祀っています。いずれも食物を司る神です。
これらの神様を祀っている稲荷神社や稲荷社は全国で3万2千社、その他小さな名もない小社4万とも5万とも言われます。その総本社が京都の伏見稲荷神社です。
俗にいう日本三大稲荷とは?
- 京都の伏見稲荷
- 茨城の笠間稲荷(または愛知の豊川稲荷)
- 佐賀の祐徳稲荷