2019年7月13日(土)、出雲大社・美保神社・八重垣神社を参拝してきました。
新宿出発は、前日12日(金)の夜9時45分です。
【目 次】
ご祭神オオクニヌシの神(幼名はオオナムヂ)
オオクニヌシの若い頃の名はオオナムヂ。スサノヲがいる根の堅洲国からスサノヲの娘スセリヒメと駆け落ちして現世に帰ってきた時、スサノヲから「オオクニヌシ」と名のれと言われました。
オオナムヂと因幡の白ウサギ
オオナムヂには、たくさんの兄八十神(やそがみ)がいました。八十神は、因幡(鳥取県東部)に住むヤガミヒメ(八上比売)を妻にしようと考えていました。
そして、求婚するために出発しました。
弱々しい末っ子のオオナムヂが兄たちの荷物を持って、後方からついていきます。
その時、海のワニによって毛を剥かれた白ウサギに出合うのです。
八十神は、こう白ウサギに言いました。
「海水に浸かり、風にあたり、山の峰にうつぶせになっていれば治るよ」
治るわけがありません。海水により、かえって肌はヒリヒリしてしまいました。
後から来たオオナムヂは、
「白兎さん、なぜ、そんな真っ赤なひび割れた皮膚をして、泣いているのか」
そして、こうアドバイスしたのです。
「今すぐ、川の水で体を洗い、ガマの穂の花粉を地に撒き散らし、その上で寝返りをしなさい。そうすれば、皮膚は元どおりになります」
兄弟・八十神に二度殺されるオオナムヂ
「私は、あなたたちの妻になるつもりはありません。オオナムヂ様の妻になるつもりです」
八十神に求婚されたヤガミヒメはすべてお断りして、オオナムヂを選びました。ここから、オオナムヂは八十神に怒りを買い、二度も殺されてしまうのです。
一度目は、八十神は猪に似た大きな石を真っ赤に焼いて落とし、オオナムヂは大石に押しつぶされて死んでしまいます。
この時は、高天原のカムムスヒノカミによって、オオナムヂは生き返ります。
二度目は、割いた木の裂け目にオオナムヂを入れて挟み殺したのです。
この時は、オオナムヂの母が助けます。そして、オオナムヂをある神のもとに送り、この神が根の堅洲国のスサノヲの元へ行くよう助言したのです。
根の堅洲国、スサノヲの試練と娘スセリビメとの駆け落ち
根の堅洲国に行ったオオナムヂは、スサノヲの娘スセリビメに会い、結婚します。父スサノヲの許しを乞うと、4つの試練を課されます。
- スサノオの試練1 蛇の部屋
- スサノオの試練2 ムカデとハチの部屋
- スサノオの試練3 鳴鏑(なりかぶら):スサノオは鏑のついた矢を野原に射こむと、オオナムヂに探させます。
- スサノオの試練4スサノオの頭のシラミ取り
この4つ目の試練の時、オオナムヂはスサノヲの髪の毛を柱に結びつけ、その隙にスセリヒメと逃げ出します。黄泉の国との境、黄泉比良坂(よもつひらさか)を通り過ぎた頃、二人はスサノヲの叫び声を聞いたのです。
「オオナムヂ、その生太刀と生弓矢で八十神の兄たちをやっつけろ。以後、オオクニヌシ(大国主神)と名のり、スセリビメを正妻にし、出雲の山に地底の石を太い柱にし、天高く壮大な宮殿を立てよ。良いな、小わっぱ」
以後、オオナムヂはオオクニヌシと名のります。
国作りと出雲の国譲り
こうして、オオクニヌシは出雲を起点にして、スクナビコノナノカミ、御諸山の上に坐す神(三輪山に鎮座する神)などの協力により、葦原中国(あしはらのなかつくに)を統一し、作り上げます。
すると、高天原の天照大神が詔を発します。
「葦原中国は、わが子アメノオシホミミノミコトが治めるべきである」
アマテラスは、葦原中国の統治者であるオオクニヌシの元へ遣いを送りました。しかし、1度目は3年、2度目は8年経っても、何の進捗もなかったのです。
そして、3度目がタケミカヅチの派遣になります。タケミカヅチは反対するオオクニヌシの直系のタカミナカタを倒して、出雲の国譲りをやり遂げたのです。
この出雲の国譲りの際に、オオクニヌシはこう言い添えます。
「私も背くことはいたしません。この葦原中国を差し上げます。ただ、天つ神御子が天津日継(あまつひつぎ – 皇位)をお受けになる社のように天高い社を建てて、私が祀られることはお許しください」
ここして、建てられた社が、出雲大社なのです。
(古代出雲歴史博物館より)筆者撮影
出雲大社の魅力
それでは、出雲大社をご案内します。
正式には、出雲大社は「いずもおおやしろ」と呼びます。
一の鳥居から神門通りを歩く。
神門通りは歩くと約10分ほど。出雲そば、出雲ぜんざいなどの雰囲気のある食事処が沢山あります。
畑電車・出雲大社前駅。
(写真・下)向こうに見えるのが、二の鳥居・勢溜(せいだまり)の鳥居です。
二の鳥居(勢溜の鳥居)に着きました。
(写真・下)二の鳥居(勢溜の鳥居)から、一の鳥居を見たところ。
二の鳥居(勢溜の鳥居)から銅鳥居
二の鳥居(勢溜の鳥居)が、いわゆる境内前の鳥居です。ここからの参道は、珍しく下りになっています。
出雲大社末社・祓社
二の鳥居をくぐり、下り参道に入ると、すぐ右に祓社(はらえのやしろ)があります。ここの四柱の神を総して「祓戸の神」と称します。私たちが知らぬうちに犯した心身の罪や汚れを祓い清めて清々しい神の御心をいただけるようにしてくださる神々です。
ところで、神社の参拝は、普通「二礼二拍手一礼」です。が、出雲大社では「二礼四拍手一礼」になります。
浄(きよめ)の池
祓社のすぐ右のほうにあるのが浄の池。参道は混雑しているのに、ここの静けさは別世界です。
参道に戻ると、祓橋があります。この川は。出雲大社の後ろに聳える八雲山から流れる清流「素鵞(そが)川」です。橋を渡ると、三の鳥居があります。鳥居の真ん中の道は松の参道と言われ、以前はオオクニヌシや殿様や貴族だけが通ることができました。今は、松の保護から通れません。
鳥居の左の方が、西神苑になります。遠くに何かわからないオブジェのような彫刻がありました。(写真・下)
ムスビの御神像
三の鳥居を過ぎて、右の東神苑にあります。オオクニヌシが日本海の荒波の向こうに現れた【幸魂・奇魂(さきみたま・くしみたま)】を授けられ、縁結びの神になったという場面です。銅像ではなく、鋳物だそうです。
ところで、魂には幸魂・奇魂の他に、和魂・荒魂もあり、全部で4種類の側面があります。
ウィキペディアによると、
- 和魂:神の優しく平和的な側面であり、仁愛、謙遜等
- 荒魂:神の荒々しい側面、荒ぶる魂
- 幸魂:運によって人に幸を与える働き、収穫をもたらす働き
- 奇魂:奇跡によって直接人に幸を与える働きであり、知識才略、学問、技術を表す
縁結びの碑(いしぶみ)
左の西神苑の方にあります。
古事記から引用された説明にこうあります。
「即ち宇伎由比為(うきゆひし)て うながけりて 今に至るまで鎮まり座す」
オオクニヌシとスセリヒメが夫婦の契り盃をかわされ、うなじに手を掛け合い寄り添い合われて、今日に至るまでお鎮まりです、と説明されています。
さらに、近くに可愛いウサギも4羽いました。
御慈愛の御神像
縁結びの碑(いしぶみ)と同じく、左の西神苑の方にあります。因幡のシロウサギを助けたエピソードにより像です。
ところで、担いでいる袋の中には、何が入っているかご存知ですか。
私たちの苦難や悩みが入っていて、オオクニヌシ様が代わりに背負ってくださっているのです。
四の銅鳥居に着きました。向こうに出雲大社の拝殿が見えます。
出雲大社の拝殿・本殿
出雲大社の拝殿
昭和34年(1959)に再建された総ヒノキ造りで再建されました。
拝殿の両サイドには、神在月(全国では一般に神無月)に全国からやってきた神々が泊まる東西の十九社があります。(上・東の十九社、下・西の十九社)
拝殿西の方、御本殿横に小さな参拝所があります。ここは必ず、参拝してください。
神在月に西の稲佐の浜からやってくる神々を迎えるために、オオクニヌシの神は西の方角を向いているからです。
だから、拝殿の正面からでは、オオクニヌシの神は左横を向いていることになります。出雲最大の謎とされています。
ところで、出雲大社では拝殿だけなく、拝殿後ろにある八足門(はちあしもん)からでも参拝できます。さらに、神楽殿でご祈祷を受けた人とお正月ではすべての人は、この八足門の中に入って楼門からも参拝できます。どんどん、オオクニヌシの神に近くなっていくのですね。
スサノヲを祀った素鵞社(そがのやしろ)
素鵞社は御本殿の後ろ、八雲山に接したところにあります。だから、素鵞社の裏手から、八雲山に直接触れることができます。大いなる山のパワーを直に受けるができます。出雲大社最大のパワースポットと言われる所以です。
また、稲佐の浜を先に観光した人は、必ず稲佐の浜の砂を一掴み持ってきてください。そして、素鵞社の軒下のこの砂と交換してください。縁結びの大いなるパワーを受けることができます。
この素鵞社と本殿の間には、7羽のウサギが本殿を向いていました。かわいいですね。
そして、日本一のしめ縄・神楽殿
1年以上かかり、述べ1000人で完了する日本一のしめ縄
20人もの人が一丸となって、1.7トンの縄を転がして作ります。その2本の縄を50人とクレーンで捻りあげます。1年以上かかり、述べ1000人で完了。出雲大社・神楽殿へはトレーラーで運び、取り付けます。
四季の旅の出雲大社バスツアーでは、団体祈祷もあります。この神楽殿の中に入れるのです。この神楽殿の音響効果は素晴らしく、太鼓の響きや神職さんの声がよく通ります。ご祈祷を受けた後は、前述したように御本殿のすぐ前の楼門から参拝ができます。
神在月(一般では神無月)神々が上陸する稲佐の浜
前述しましたように、出雲大社より先に稲佐の浜にきた人は、必ず砂を一掴み持って行ってください。
(写真・下)今にも神々が現れそうな、稲佐の浜の弁天島です。
また、この稲佐の浜から5分ほどのところに、上の宮と下の宮があります
出雲大社の十九社で寝泊まりしている神々が縁結びの「神謀り(かむはかり)」をするのがこの上の宮です。下の宮には、天照大神が祀られています。
(下の写真・上が上の宮、下が下の宮)
出雲大社と神楽殿の御朱印
こちらの記事も読んでください。
【林修「縁結び」出雲大社。ご祭神オオクニヌシの神が横を向いてる謎?】
終わりに
伊勢神宮に続いて、念願の出雲大社に参拝でき、とても嬉しく思っています。伊勢神宮には2回行っていますが、東京からですと出雲大社はさらに先です。
しかし、【四季の旅の出雲大社バスツアー】は、とてもお得。美保神社と八重樫神社にも参拝できます。しかも、帰りには温泉施設で2時間ゆっくりできます。
通常の電車とバスで新宿から出雲大社駅に行って帰ってくるだけの旅費と四季の旅の出雲大社バスツアー料金はほぼ同じ。自分の足で美保神社と八重樫神社を回ると、一体いくらかかるかわかりません。また、移動する時間もかなりかかりってしまうでしょう。
日帰りバスツアーは、このようにとてもコスト・パフォーマンスが良いのです。
みなさんも、参加してみてはいかがでしょうか。