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鶴岡八幡宮・本宮(上宮)

鶴岡八幡宮:2024年7月29日参拝

夏の鎌倉は、青く澄んだ空と緑濃い木々が、歴史ある街並みをいっそう美しく引き立てます。
その中心にそびえる鶴岡八幡宮は、千年の時を超えて武家の守護神として鎌倉の人々に愛されてきた存在です。

海からまっすぐ延びる若宮大路を歩けば、歴史の重みと夏の開放感が同時に押し寄せ、胸が高鳴ります。
さらに路地を一本入れば、小町通りの賑わいが広がり、香ばしい匂いや笑い声が旅心をくすぐります。

鎌倉らしい厳かな風景と、日常の温かさに触れるひととき――今回は、その両方を味わえる夏の散策をご紹介します。

鎌倉・鶴岡八幡宮 ― 夏空に輝く武家の総鎮守

鶴岡八幡宮・鳥居

鎌倉の中心を南北に貫く若宮大路。その正面に堂々と構える朱塗りの「三の鳥居」が、夏の青空にくっきりと映えています。
海風に混じる潮の香りと蝉の声が、ここから始まる参拝の時間を、より印象的に演出します。

鳥居をくぐれば、真っ直ぐ伸びる参道の先に社殿が遠望でき、まるで歴史の入口に立ったような感覚。
松の緑と赤い社殿のコントラストが、旅人の目を奪います。

太鼓橋(反橋)

太鼓橋(反橋)

参道中央に優美な弧を描く「太鼓橋」が現れます。別名「反橋(そりばし)」と呼ばれ、その石造りの構造は力強くも上品。江戸時代以前には木製で朱塗りだったと伝わります。

将軍や勅使など特別な立場の人しか渡ることを許されなかった由緒正しい橋。今は立ち入り禁止ですが、橋越しに見る舞殿や本宮は、時を超えた鎌倉の顔そのものです。

鶴岡八幡宮・太鼓橋

太鼓橋の横をそっと通り抜けると、ふいに視界がぱっと開けます。前方には、真っ直ぐ伸びる参道の向こうに、朱色の舞殿とその背後にそびえる本宮。

「これぞ鶴岡八幡宮!」と胸が高鳴る瞬間です。

夏の陽射しに朱色がいっそう鮮やかに輝き、蝉の声が景色を包み込みます。ここから先は、歴史の物語へ足を踏み入れるような特別な時間が待っています。

鶴岡八幡宮 舞殿〜静御前、死を覚悟して舞う!

鶴岡八幡宮

朱色の柱と檜皮葺の屋根を持つ舞殿。吹き抜けの構造が開放的で、四季の風や光を取り込み、境内に気品を添えています。

この舞殿は、源義経の愛妾・静御前ゆかりの舞台として有名です。

1186年(文治2)、義経に同行していた静御前は鎌倉に連れてこられ、頼朝の命で舞を奉納しました。彼女は義経との別れの悲しみを胸に、次の歌を詠みながら舞ったといわれます。

静御前の肖像

しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな
(しずの布を織る糸が絶えず繰り出されるように、どうか昔を今にする方法があったなら…)

さらに、義経を慕う切なさを詠んだ歌も残しています。

吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき
(吉野山の峰の白雪を踏み分けて去っていったあの人の跡が恋しい)

現在でも、静御前を偲び、毎年「静の舞」が奉納されます。舞の上手な女性がひとり選ばれ、平安の雅を今に伝える舞を披露するのです。
ご利益は縁結び、良縁成就、家内安全など。境内の中でも、ひときわ物語性のある場所です。

鶴岡八幡宮・舞殿

鶴岡八幡宮・本宮(上宮)

鶴岡八幡宮・本宮(上宮)

舞殿の背後にそびえる石段を上ると、堂々とした楼門と社殿が現れます。
本宮は八幡造という独特の建築様式で、前後二棟の社殿を連結させた構造が特徴。赤と白の彩色に金箔の装飾が施され、山の緑と青空に映えます。

ご祭神

  • 応神天皇
    武運・勝利の神として崇敬される八幡神の本体。
  • 神功皇后
    知恵と勝利を授ける女神で、応神天皇の母神。
  • 比売神
    宗像三女神に比定され、海上安全や縁結びを司る女神。

ご利益は勝負運、必勝祈願、厄除け、出世運上昇で、古くから武士の守護神として厚く信仰されてきました。

鶴岡八幡宮・鳩文字

扁額の「八幡宮」の文字は二羽の鳩で書かれた「鳩文字」。八幡神の使いである鳩が平和を象徴し、参拝者の心を和ませます。この文字からインスパイアされて、鎌倉名物「鳩サブレー」が生まれました。

鶴岡八幡宮・本宮(上宮)舞殿から若宮大路を望む

石段の上でふと振り返ると、眼下には朱色の舞殿が堂々と佇み、その向こうに三の鳥居、そして真っ直ぐに伸びる若宮大路が続きます。さらに先には一の鳥居と二の鳥居があり、まるで鎌倉の中心を一直線につなぐ物語が、この参道に込められているかのようです。

舞殿・三の鳥居・若宮大路を望む。

若宮

本宮の石段脇にある若宮は、創建当時の姿を色濃く残す社殿です。檜皮葺屋根と朱塗りの柱が調和し、落ち着いた佇まいが魅力。小規模ながら堂々たる雰囲気を放ちます。

ご祭神仁徳天皇
ご利益は商売繁盛、家庭円満。参道の喧騒から少し離れ、涼やかな風が吹き抜ける空間です。

若宮

白旗神社

白旗神社の鳥居

境内の奥、木々に囲まれて鎮座する白旗神社は、質実な木造社殿が特徴。檜皮葺の屋根に長い歴史の重みを感じます。

白旗神社

ご祭神
源頼朝公と実朝公
ご利益は勝負事、出世運、学業成就で、鎌倉武士の精神的支柱として崇敬されてきました。

源平池と旗上弁財天社

境内の東西に広がる源平池は、東が源氏池、西が平家池と呼ばれます。夏には源氏池の蓮が一面に広がり、緑の海が涼やかな風に揺れます。

中島に建つ旗上弁財天社は、芸能、金運、学問成就の神様。朱色の社殿と青々とした蓮の葉が、まるで絵巻物のような夏景色を描き出します。

源平池と旗上弁財天社

夏の鶴岡八幡宮で感じること

鶴岡八幡宮は、ただの観光名所ではなく、鎌倉の歴史と信仰の中心地。夏の強い日差し、蝉の声、木々の香りが、訪れる人の五感を満たします。

千年の物語を抱く参道を歩けば、過去と現在が交差する不思議な感覚に包まれます。参拝を終えるころには、心がすっと静まり、鎌倉の風がやさしく背中を押してくれるようです。

若宮大路

若宮大路

若宮大路は、鶴岡八幡宮から由比ヶ浜までおよそ1.8キロメートル、まっすぐに伸びる参道です。源頼朝によって整備されたこの道は、平安京の朱雀大路を手本に造られ、鎌倉の中心軸として栄えてきました。

両側には飲食店や土産物店が軒を連ね、歩くたびに香ばしい匂いや華やかな店先が目を楽しませます。

なかでも「豊島屋」の本店は、鎌倉土産の定番「鳩サブレー」で有名。この可愛らしい鳩の形の焼き菓子は、鳩文字から着想を得て生まれ、今も多くの観光客に愛され続けています。

若宮大路から小町通りへ
若宮大路から小町通りへ向かう道のりは、ほんの1分足らず。その短い間にも、賑やかな表通りとは異なる落ち着いた空気が漂います。

横道に足を踏み入れると、石畳と季節の草花に縁取られた静かな道が続き、小さな食事処やカフェがひっそりと佇んでいます。
観光客で賑わう鎌倉の中心地にありながら、ここには古都らしい穏やかな趣が息づいています。

若宮大路から小町通り

小町通り ― 鎌倉の“食と土産”の宝庫

小町通り

小町通りは、鎌倉駅東口から鶴岡八幡宮へと伸びる約360メートルの商店街。観光客にとっては鎌倉の「玄関口」として知られ、地元の特産品やお土産を扱う店がぎっしりと並びます。

通りを歩けば、甘い香りや焼き立ての匂いが漂い、食べ歩きが楽しくてつい足が止まります。週末ともなれば、カップルや家族連れ、友人同士で賑わい、人の波が途切れることはありません。

伝統的な老舗と、感性豊かな新しい店が肩を並べ、訪れるたびに新しい発見がある――それが小町通りの魅力です。

小町通り

老舗の豆菓子店「まめや」では、色とりどりの豆菓子が所狭しと並びます。店先で試食をすすめられると、つい足が止まり、手土産にいくつか選びたくなります。

かき氷やレモネード、クロワッサンたい焼きの店先には、夏休みの笑顔があふれます。歩きながら冷たいドリンクを片手にするのも、小町通りならではの楽しみ方です。

小町通り

鎌倉ビールの味を飲み比べ

店先には、深いコクが魅力の鎌倉ビール「花」ブラウンと、芳醇でまろやかな鎌倉ビール「月」アルト、そして力強い味わいの缶ビール「武士の宴」が並びます。

陽射しを浴びたグラスの中で泡がきらめき、揚げたての香ばしい匂いが漂えば、もう我慢はできません。ビールと揚げ物のマッチング!夏に味わうこれ以上のご馳走はないでしょう。

初夏の鎌倉:鎌倉ビール「月」アルト 330ml
2011年iTQi優秀味覚賞受賞
2010年WBAアルトタイプ世界最高賞受賞

秋の鎌倉:鎌倉ビール「花」ブラウン 330ml
2011年WBAブラウンダークエール部門世界最高賞受賞
2010年JCBAダークエール部門プラチナ賞受賞

鎌倉ビールはこちらでお取り寄せできます。
>>鎌倉ビール[公式サイト]

小町通り・鎌倉ビール

創業文久三年創業の老舗 ひもの店「大安」

創業文久三年の「大安」は、鎌倉の歴史そのもののような存在。軒先から漂う干物の香りに誘われ、旅の途中で立ち寄る人も少なくありません。店頭では、数種類のひものを炙っていて、試食もできます。

広い店内ではお土産用の干物や海産物が並び、地方発送も可能。旅の終わりに立ち寄れば、鎌倉の味を自宅でも楽しめます。

老舗 ひもの店「大安」

賑わいと静けさが同居する道

小町通りは常に人で溢れていますが、少し脇道に入ればそこは別世界。昔ながらの家屋や小さな庭、猫がひなたぼっこする姿など、ゆったりとした時間が流れます。

若宮大路の大らかさ、小町通りの賑やかさ、そのどちらも楽しめるのが鎌倉散策の魅力です。八幡宮参拝と合わせて歩けば、鎌倉の今と昔、華やぎと素朴さを一度に味わえるでしょう。

鶴岡八幡宮で感じる千年の時[まとめ]

大鳥居から始まった参拝の道は、太鼓橋や舞殿、本宮と続き、静かな社の空気と深い歴史に包まれていました。
石段を下り、若宮大路へ戻れば、今度は陽光を浴びた並木道と街の活気が迎えてくれます。

小町通りに入ると、賑やかな商店や甘い香り、冷たい飲み物の誘惑が待ち受け、旅の歩みは自然とゆっくりになります。
鎌倉は、厳かさと日常の温かさが寄り添う場所。

夏の一日をここで過ごせば、帰る頃には心も体もやさしく満たされ、また訪れたくなることでしょう。

>>鶴岡八幡宮へのアクセス方法と駐車場ガイド|観光スポット・グルメ情報も紹介