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出羽三山「生まれ変わりの旅」の現世にあたる羽黒山について紹介します。

羽黒山の五重塔(国宝)をご自分の目で見てから、日本一の長い石段2,446段を足で歩いてみてください。

石段2,446段は山伏の修験道ですから、ふつうの山歩きとは違い、ある人々にとっては過酷かもしれません。

しかし、この過酷な羽黒山の石段2,446段を登ることが、出羽三山「生まれ変わりの旅」に参加する主な理由なのです。

また、羽黒山の見どころ5選もあげてみました。

(四季の旅/2018-07-13・14)

出羽三山「生まれ変わりの旅」

【現世】羽黒山で今世での願いをかなえ、
【過去】月山ではご先祖様の霊がいるため死後の安楽と往生を祈り、
【来世】湯殿山で新しい生命(いのち)をいただいて生まれ変わる旅のことです。

古くより、西の伊勢神宮に詣でることを「西の伊勢参り」、東の出羽三山に詣でることを「東の奥参り」と称し、双方を詣でることは人生の重要事項とされてきました。

羽黒山の五重塔

羽黒山の五重塔

羽黒山の五重塔2018年は五重塔の中も閲覧OK!

後述する鳥居、随神門、末社から神橋へは、10〜15 分ほどです。神橋を渡りと、羽黒山最古の建築物である五重塔が左手奥に見えてきます。

平将門が創建したと言われる五重塔は、高さ29.0m。素木造り、柿葺、三間五層の優美な姿です。

昭和41年(1944)に、国宝に指定されました。古くは瀧水寺の五重塔と言われ、付近には多くの寺院があったといいます。しかし、今は五重塔だけになっています。

2018年は「三神合祭殿」再建200年記念として、明治以降なかった五重塔の扉が開かれ、2018年11月4日まで内部が公開されました。

お祓いを受けてから、五重塔の中に入れます。

私は五重塔の中に入ろうか迷ったのですが、なんか〈今日は入ってはいけない!〉という予感がしました。

予感は見事的中!

この後の約1時間はマジで羽黒山の石段2,446段の途中で「死ぬ!」と思ったほどの体験をしました。五重塔の御朱印もいただくのを忘れました。

ところで、五重塔の中には、諏訪大社の御柱のようなものが入っていると聞きました。

※随神門から五重塔までは約10分、山頂まで登るには約1時間~1時間30分程度

羽黒山の石段 2,446段と「峰入り」

羽黒山の「峰入り」とは?

羽黒山の峰入りとは、開祖蜂子皇子の修行をたどる羽黒山伏の修行のことをいいます。

夏の峰」は、三山を駆ける夏山登山を意味します。

秋の峰」は山伏養成を目的として、約1週間の山籠りを中心とする修行。日本で唯一本来の山伏修行の形を伝えるといわれています。

冬の峰」は、100日間の参籠修行です。満願の100日目にあたる大晦日に羽黒山山頂で毎年行われる「松例祭」では、修行で得た験力(げんりき)を競います。

羽黒山修験本宗・羽黒山荒澤寺の秋の峰」は毎年8月25日より1週間、出羽三山神社の秋の峰」は8月26日より1週間行われます。

1993年開山1400年を機に、女性を対象として創設された「神子修行道場」は、9月6日から4日間行われます。

羽黒山の石段・一の坂

五重塔から参道に戻ると、本来の山伏が修行しているのと同じ勾配がきつい羽黒山の石段・一の坂がはじまります。まだ、羽黒山の参道に入ってから30分もしなかったのですが、私の体が悲鳴をあげはじめました。

玉の汗が吹き出し、呼吸も乱れてきました。100段登っては休み、100段登っては休み、いつしか他のツアー客からは大きく遅れ、最後尾になっていました(普段デスクワークがメインで、運動を疎かにしていた報いです)。

羽黒山・一ノ坂

羽黒山の石段・二の坂

羽黒山・二ノ坂

羽黒山の石段・二の坂に入る頃はマジで「ここで心臓麻痺でも起こしたら、あの世行きだな」とバカなことを考えはじめていました(たった一人で倒れたら、連絡の取りようがありません)。

しばらくして「そうだ、羽黒山は現世! 現世が辛いのは当たり前」と思いつき、一歩一歩ゆっくり登っていきました。全身汗まみれ、フェイスタオルもびっしょりです。

そして「もう、だめ…。どうしよう!」と、座ろうとしたら……

羽黒山・二ノ坂茶屋

なんと、二の坂茶屋の屋根が見えたのです。なんとか、二の坂茶屋まで行こうと気を取り直しましたが、着いてからはしばし呆然自失。

汗をかいた体には、ブルーベリーのかき氷は天界の甘露のようでした。また、お姉さんの笑顔にも救われました。

しかし、まだ「三の坂」が残っています。

愛宕神社・日枝神社

石段の途中にある愛宕神社(あたごじんじゃ)は火産霊神(ホムスビノカミ)を、日枝神社(ひえじんじゃ)は大国主命(オオクニヌシノミコト)を祀っています。

羽黒山の石段・三の坂

頂上での集合は10時50分。添乗員の田澤さんからは「10時に出れば、ゆっくり間に合いますよ」と言われました。しかし、今までのきつさを考えて、今はまだ9時30分ですが、すぐ出発することにしました。

埴山姫神社埴山姫神社(はにやまひめじんじゃ)土・田畑・土壌の守り神埴山姫を祀っています。

羽黒山・三ノ坂の先の坂

羽黒山の石段・三の坂(写真上)を登りきりましたが、まだまだ坂道は続いていました。しかし、今ままでのように、長い坂ではありません。

八幡神社八幡神社(はちまんじんじゃ)は、誉田別神(ホンダワケノカミ)を祀っています。

斎館

羽黒山の頂上の鳥居

参道の最後の「羽黒山」と書いてある鳥居で、羽黒山の頂上です。登りきった! 現世の過酷さが身にしみた後のホッとした瞬間でした。

修験の霊場 出羽三山・認定証

羽黒山見・見どころどころ5選

①鳥居と随神門

羽黒山・鳥居鳥居は日常と神域の境目です。神域は主に杉に覆われた世界で、鳥居の向こうに見える屋根が随神門です。

羽黒山・随神門

羽黒山の随神門
門を守るのはもちろん、豊石窓神(とよいわまどのかみ)と櫛石窓神(くしいわまどのかみ)。剣と弓矢をもって鎮座しています。

②羽黒山の杉並木

羽黒山・杉並木

羽黒山の杉並木は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン三つ星に選ばれました。随神門から羽黒山山頂までの1.7kmの参道にある杉並木は国特別記念物で、右側284本、左側301本の総数585本が聳えています。

推定樹齢300〜500年を超える老杉で、慶長初期から寛永(1596〜1643)にかけて、第48代宥源・第49代宥俊・第50代天宥の3代にわたる別当(長官)が十数年の歳月をかけて植林したと説明があります。

③羽黒山の末社群

継子坂の下には六つの末社

随神門から下る継子坂の下には6つの末社が建っています。

磐裂神社(いわさくじんじゃ)、根裂神社(ねさくじんじゃ)、五十猛神社(いたけるじんじゃ)、天神社(てんじんしゃ)、豊玉姫神社(とよたまひめじんじゃ)、白山神社(はくさんじんじゃ-敷地だけ)などがあります。

④岩戸分神社と祓川神社

羽黒山・神橋

随神門より継子坂を下りると祓川(はらいがわ)にかかる神橋に出ます。神橋の右前方に須賀の滝が見えます。

羽黒山・注連掛桜

橋を渡り、須賀の滝へ行く曲がり角に、「注連掛桜(しめかけさくら)」があります。祓川で禊(みそぎ)をするとき、この桜の木に注連(しめ縄)をかけたといいます。

須賀の滝・祓川神社・岩戸分神社須賀の滝をバックにし、左に岩戸分神社(いわとわけじんじゃ)があり、ご祭神は天手力雄命(アメノタヂカラオノミコト:天岩戸を放り投げた神)です。

右の祓川神社(はらいがわじんじゃ)には、瀬織津比咩神(セオリツヒメガミ:穢れを払う女神)ほか四柱の神々が祀られています。

羽黒山・神橋祓川神社から見た神橋は、撮影ベスト・スポットです。誰でも美しい写真が撮れます。

⑤「三神合祭殿」にて団体祈祷

10時50分集合には十分間に合いました。その後、山伏さんから首にかける「お注連( しめ)」をいただき、「三神合祭殿」で団体祈祷を受けました。

しかし、神職の祝詞(のりと)は何を言っているのかまったくわかりません! その後、巫女さんが私たち一人ひとりの背中に鈴を当てていきます(何のためなのか?)。

羽黒山・三神合祭殿

三神合祭殿の前の鏡池の表面を覆っているのは、スイレン科の植物の1種「コウホネ」です。この池から多くの銅鏡が見つかったことから「鏡池」と命名されました。

山伏さんの解説つき境内案内

団体祈祷のあと、山伏さんの解説つき境内案内が数カ所ありました。添乗員さんからは「あまり聞けないお話ですよ」と前もって言われていましたが、疲れて切っていた私は、よく覚えていません。メモを取ることも忘れていました。

羽黒山の山伏羽黒山・世界平和塔

そんな山伏さんの話の中で、「出羽」は「いでは」と読みますと聞きました。世界平和塔の球体の上には鳥がのっています。この鳥は、出羽三山開祖・蜂子皇子を導いた片羽根2m40cmある三本足の霊烏(れいう)です(ヤタガラスとは違うのでしょうか?)。

三神合祭殿のご祭神

山名 神社 ご祭神 本地仏 住所
月山 月山神社 月読命
(月山権現)
阿弥陀如来 鶴岡市
庄内町・西川町境
羽黒山 出羽(いでは)神社 伊氐波神・稲倉魂命
(羽黒権現)
正観世音菩薩 鶴岡市
庄内町境
湯殿山 湯殿山神社 大山祇神・大己貴命・
少彦名命(湯殿山権現)
大日如来 鶴岡市
西川町境
  • 月読命(ツクヨミノミコト)月、夜を統べる神
  • 伊氐波神(イデハノカミ)商売繁盛、五穀豊穣
  • 稲倉魂命(ウカノミタマノミコト)穀物神=宇迦之御魂神
  • 大山祇神(オオヤマツミ)山岳丘陵の守護神
  • 大己貴命(オオナムチノミコト)縁結びの神など=大国様
  • 少彦名命(スクナヒコナノミコト)健康の神・医薬の神

三神合祭殿の御朱印

羽黒山・三神合祭殿の御朱印

羽黒山・三神合祭殿の祈祷、アクセスと駐車場

住所
山形県鶴岡市羽黒町羽黒山

アクセス
バス
・鶴岡市から庄内交通バス『羽黒山頂行き』で50分→終点下車
・表参道の石段を登る場合、又、国宝羽黒山五重塔を拝観する場合は、同バスで随神門下車


羽黒山頂までは羽黒山有料道路
料金・受付時間については、㈱庄内交通HPをご覧ください。羽黒山有料道路|庄内交通(shonaikotsu.jp)
・山形自動車道鶴岡ICから鶴岡・羽黒線経由で約10km
・庄内あさひICから約15km
・庄内空港から約30km
(鶴岡市内から約30分)

駐車場】なし

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まとめ

出羽三山「生まれ変わりの旅」の現世にあたる羽黒山について紹介しました。

今まで何回も日帰りバスツアーに参加してきましたが、日本一の長い石段2,446段は、一番過酷なトレッキングでした。正直、死ぬかと思ったほどです。

しかし、今はもう一度出羽三山「生まれ変わりの旅」に参加したいと強く思っています。できれば、月山神社本宮へも登る1泊2日のツアーに参加したいと考えています。

かなうかどうかは、出羽三山に呼ばれるかどうか、です。今のところ、その気配がまったくありません。