伊勢神宮・内宮(皇大神宮)とご祭神アマテラス

内宮・正宮 神社とご祭神

アマテラスオオミカミアマテラス(出典)Pinterest

ヤマトヒメのアマテラスの鎮座地探しと伊勢。

第10代崇神天皇の時代に、三種の神器の一つ『八咫(やた)の鏡』が、宮の外に移されることになりました。あまりにも神の勢いが強いため、天皇がともに住むには不安があったからです。天皇が、三種の神器の一つを恐れるとは滅多にないことです。

そこで、鎮座する場所を探す任に当たったのが、ヤマトヒメノミコト(倭姫命)。第11代垂仁天皇の皇女です。日本書紀には、こうあります。
「倭姫命、菟田(うだ)の篠幡(ささはた)に祀り、更に還りて近江国に入りて、東の美濃を廻りて、伊勢国に至る」
宇陀と伊賀で各2ヶ所、近江と美濃でそれぞれ1ヶ所、そして伊勢では6ヶ所も転々としました。25年ほどかかったそうです。

こうして、今の五十鈴川ぞいの地がアマテラスの遷座地として選ばれました。その他の候補地は、「元伊勢」と呼ばれています。

ヤマトヒメノミコト(倭姫命)

伊勢神宮・内宮のご祭神「アマテラス」古事記物語

イザナギ、黄泉の国へ

日本の国とたくさんの神を生んだのはイザナギとイザナミの神です。ところが、イザナミは火の神カグツチを産んだ時、深刻な火傷を負って死んでしまいました。怒ったイザナギは、わが子カグツチを十拳剣で斬り殺してしまいます。しかし、悲しみが晴れたというわけではありません。

とうとう、イザナミを連れ戻しに黄泉の国へ行く決心をし、黄泉の国の御殿でイザナミと会うことができました。しかし、

「もう少し早く迎えに来てくだされば良かったのに…。ですが、私は黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、この世界の住人になってしまいました。もう戻ることはできません。

黄泉の国の神々と相談してまいりますので、その間決して戸を開けないと約束してください」

と、御殿の戸を閉めました。しかし、いくらたっても、イザナミは戻ってきません。

イザナミの恐ろしい今の姿

イザナギはしびれを切らして、御殿の戸を開けて真っ暗な室内に入りました。そこで、イザナギは髪にさしてあるクシの端を折り、火を灯しました。
そこで見た光景は……
腐敗してウジがわいたイザナミでした。また、妻の体には、様々な恐ろしい八種の雷神がいました。

恐ろしくなったイザナギは、逃げ出しました。

「私に恥をかかせたな!」

イザナミは、黄泉の国の醜女にイザナギを追わせました。イザナギは必死で逃げます。追う醜女はす速く、もうすぐそばまで来ています。そこで、イザナギは「クロミカズラ」という蔓草を投げました。蔓草は勢いよく大きくなり、ブドウの実をつけました。

醜女はぶどうの実にかぶりつきます。その間に、イザナギは逃げます。しかし、再度追いつかれそうになると、今度は左右に束ねた髪に刺してあった右側のクシを投げました。すると、筍が生えてきました。醜女は筍を抜くと、次々に食べてしまいます。

さらに、イザナミの体から出てきた八種の雷神と黄泉の国の1500もの軍勢が追いかけてきます。イザナギは十拳剣を後ろ手に持って振り払いながら逃げます。

黄泉比良坂の千引の石

ついに、黄泉の国と現実の境、黄泉比良坂(よもつひらさか)に差し掛かり、一本の桃の木が生えているのをイザナギは目にします。その桃の実を3個とると追っ手に投げつけます。すると、黄泉の国の追っ手は逃げ帰えりました。

死者1000人と生者1500人

ホッとしたのもつかの間、今度は腐ってウジがわいた体のイザナミが追ってきたのです。イザナギは、千引の石(ちびきのいわ)という大きな岩で、黄泉比良坂をふさぎました。イザナギが岩の向こうのイザナミに別れの呪文を述べると、イザナミは恐ろしい呪いの言葉をあげました。

「愛しい夫がそうするのなら、私は1日に1000人絞め殺しましょう」
「愛しい妻がそうするのなら、私は1日に1500の産屋を建てましょう」

こうして、二人は永遠の別れをし、イザナギは現世の大神として、イザナミは黄泉の国の大神として別々の道を歩むことになったのです。

島根県東出雲町の伊賦夜坂(黄泉比良坂)島根県東出雲町の伊賦夜坂(黄泉比良坂)

アマテラスの誕生

イザナギは黄泉の国から帰ってきたので、穢れ(けがれ)を落とすために禊(みそぎ)をしました。この時、着ている衣服からたくさんの神が生まれました。最後に左目を洗うとアマテラスが、右目を洗うとツクヨミが、鼻を洗うとスサノオが生まれたのです。イザナギは喜んで、こう言いました。

「自分はたくさんの子を生んできたが、最後に三柱の貴い子を得た」

そして、つけていた首飾りをアマテラスにかけ「高天原を治めなさい」、ツクヨミには「夜之食国(よるのおすくに – 夜の世界)を治めなさい」、スサノオには「海原を治めなさい」と命じました。

こうして、アマテラスが高天原、全世界の神になったのです。

【神の数え方】一柱(ひとはしら)、二柱(ふたはしら)、三柱(みはしら)というように「柱」を使います。

伊勢神宮・内宮のご祭神アマテラス

伊勢神宮・内宮(皇大神宮-こうたいじんぐう)は、第11代垂仁天皇26年(BC4年)にご鎮座。
伊勢神宮・外宮(豊受大神宮-とようけだいじんぐう)は、第21代雄略天皇22年(478年)にご鎮座。

伊勢神宮は、日本にある約8万ある神社の中心です。そこで祀られているアマテラスは、日本人と社会すべてが発展していくように見守っていらっしゃいます。

だから、個人の願いは、後で出てくるアマテラスの荒御魂(あらみたま)を祀っている別宮「荒祭宮(あらまつりのみや)」でするのが良いでしょう。

20年ごとに建てかえる伊勢神宮の『式年遷宮』には、「常若」という言葉があります。常に若い、若くありたいという言葉ですが、「若い」とはなんでしょうか。今に生き生きあり続ける、「今を生きる永遠」という意味がこめれれているそうです。神道の真髄かもしれません。こんな若い氣に満ちているのが、伊勢神宮ではないでしょうか。

いずれ取り上げる、アマテラス大御神のお食事係りのトヨウケノオオミカミを祀っている伊勢神宮(外宮)があります。まず外宮から先にお参りし、内宮にお参りするのがしきたりです。

【伊勢神宮・内宮ご祭神】
天照大御神(アマテラスオオミカミ)
【伊勢神宮・内宮(正宮)ご利益】
国家太平、国家発展、世界平和

内宮・正宮
伊勢神宮・内宮(正宮)では、国家安全、国土繁栄など国や世界の平和発展を祈ります。個人的な願いや祈りは、次の「荒祭宮(あらまつりのみや)」でします。

荒祭宮

個人の願いは、ここ荒祭宮

ご祭神は天照坐皇大御神荒御魂で「あまてらし ますすめ おおみかみの あらみたま」と読みます。
アマテラスのお名前を、神職が神前にて名を唱える場合は、「天照坐皇大御神荒御魂」というそうです。ここ荒祭宮で個人的なお願いをします。

風日祈宮

風日祈宮(かざひのみのみや)

風の神を祀っています。鎌倉時代、二度の元寇(蒙古襲来)の時、神風を吹かせて国難を救った功績から別宮に昇格しました。
アマテラスは太陽神ですので、燃え盛る火の力もお持ちです。火は風によってその勢いを増します。だから、風日祈宮にもお参りしてから、中心である正宮にお参りしましょう。

荒祭宮(あらまつりのみや)

荒祭宮(あらまつりのみや)

アマテラスの荒御魂(あらみたま)を祀っています。荒御魂とは、神の荒々しい面で、勇猛果断、実行力に富む荒ぶる魂です。場合によっては、災いを引き起こす悪い面もあります。反対に優しい神様の面を和御魂(にぎみたま)といいます。
先にも書いたように、個人の願いはここでお願いしましょう。

伊勢神宮・内宮(皇大神宮)の御朱印

伊勢神宮(内宮)御朱印

非常にシンプルな御朱印です。それがまた、伊勢神宮の魅力。某ウイスキー会社ではありませんが、「何も足さない。何も引かない」ありのまま姿こそ、本当に霊力がある証拠です。
この御朱印だけでなく、伊勢神宮の建物はシンプルで、豪華絢爛な装飾も彫刻もありません。人が神の前にありのままに向かう姿が、神道のあるべき姿なのです。

伊勢神宮のお守り

Coming soon.

伊勢神宮(内宮)のご神木

伊勢神宮(内宮)には、これといったご神木はありませんが、境内には樹齢600年、800年の木がたくさんあります。中には、樹齢の1200年の木もあります。
※木に触ることが許可されている場合は別ですが、むやみやたらと木に触るのはやめましょう。樹木は触られると、ストレスを感じます。

伊勢神宮のご神木
大正天皇御手植松※ご神木と指定されてはいませんが、枝を切ってはならない「大正天皇御手植松」です。

宇治橋

ついに願いが!伊勢神宮 皇大神宮と月讀宮
皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)、月讀宮などの14の別宮、43の摂社、24の末社、42の所管社。これら125全てを含めて「神宮」といいます。

ところで、黄泉の国の食べ物とは?

黄泉の国へ行くイザナギ。ギリシャ神話にも同じような話があります。それが、オルフェウスの物語です。ところで、最後にはオルフェウスがどうなったか、あなたはご存知ですか?【オルフェウスのその後】を参照。

また、イザナミが黄泉の国の食べ物を口にして、現世に帰れなくなった物語と同じようなギリシャ神話は【ペルセポベーの略奪】です。

ギリシャ神話の黄泉の国王は、ハーデース。ハーデースの妃ペルセポネーは、実は夫ハーデースにさらわれてこの世界に来たのです。そして、ペルセポネーの母デーメーテールが、ハーデースの弟ゼウスに訴えた時、ゼウスはこう言います。

「ペルセポネーが冥界でいかなる食べ物も口にしていなかったならば、その願いをかなえよう」

ゼウスはヘルメースを使者にすると、彼は春の女神も連れてペルセポネーを迎えに行きました。ハーデースは承諾しましたが、すでに狡猾にもザクロの汁(粒とも)をペルセポネーに飲ませていました。これでは、もはや彼女は地上に戻ることは許されません。

話し合いの結果、ペルセポネーは一年の半分(8ヶ月とも)は母デーメーテールと暮らし、半分(4ヶ月とも)は黄泉の国の女王として地下に住むことになりました。こうして、大地は再びデーメーテールからの恵みを得ることができるようになりました。

ギリシャ神話における春と冬、四季の誕生です。

母デーメーテールは大地女神で、四季折々の農作物の女神です。娘がさらわれていた期間は、彼女の悲しみから、農作物は育ちませんでした。大地は枯れ果てていたのです。

ペルセポネーの帰還フレデリック・レイトン作〈ペルセポネーの帰還〉


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