出羽三山神社(三神合祭殿)
出羽三山「生まれ変わりの旅」の日帰りバスツアーの概略を紹介します。
しかし、普通の朝出発して夕方あるいは夜に帰ってくる日帰りバスツアーとは、少し違います。
前日の深夜に東京都新宿を出発し、次の日の夜に帰ってくるというツアープランで。1.5日間といえば、わかりやすかもしれませんね。
出羽三山「生まれ変わりの旅」のバスツアー行程は以下の通りです。
- 月山中之宮 御田原神社(みだはらじんじゃ)
- 羽黒山の五重塔と2446段の石段〜三神合祭殿の団体祈祷
(羽黒山・宮田坊の精進料理の朝食)
- 湯殿山神社「語るなかれ、聞くなかれ」の御神体
(羽生PA「鬼平江戸処」)
それぞれの詳細は、以下にアップしました。
→月山神社とうさぎ。月山中之宮 御田原神社から月山へ。アクセスと駐車場
→羽黒山の五重塔と石段2,446段の過酷さ!三神合祭殿のアクセスと駐車場
→湯殿山神社本宮「語るなかれ、聞くなかれ」の御朱印、アクセスと駐車場
(四季の旅/2018-07-13・14)
【目 次】
出羽三山 日帰り「生まれ変わりの旅」とは?
江戸時代には、西の伊勢神宮に参拝することを「西の伊勢参り」、東の出羽三山に参拝することを「東の奥参り」といいます。両方を参拝することは、人生の大切な儀礼のひとつとされていました。
出羽三山「生まれ変わりの旅」
羽黒山で今世での願いをかなえ(現世)、月山でご先祖様の霊に死後の安楽と往生を祈り(過去)、湯殿山で新しい生命をいただく(来世)、それが生まれ変わりの旅です。
できれば、月山神社・本宮を参拝したかったのですが、日帰りバスツアーの範囲では時間的に無理があります。月山神社・本宮へは、本格的な登山にな離、時間もかかります。
※四季の旅には、月山神社・本宮に登山する出羽三山の宿泊プランもあります。ただし、月山神社・本宮を登山するには、それなりの準備が必要になります。
出羽神社・開祖は蜂子皇子
父・崇峻天皇が蘇我馬子により暗殺されたため、馬子から逃れるべく蜂子皇子は聖徳太子によって匿われ宮中を脱出し、海を船で北へと向い、山形県鶴岡市由良にたどり着きました。
そして、三本足の霊烏(れいう)の導くままに羽黒山に登り、羽黒権現の御示現を拝し、山頂に祠を創建されました。次いで、蜂子皇子は、月山・湯殿山を次々と開きます。
松尾芭蕉と出羽三山
松尾芭蕉は「奥の細道」紀行で、出羽三山に登りました。その時、詠んだ句が以下です。
- 羽黒山(三か月=三日月)
涼しさや ほの三か月の 羽黒山 - 月山
雲の峰 幾つ崩れて 月の山 - 湯殿山
語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな
そして、「奥の細道」を終えると、その足で伊勢に向かいました。「西の伊勢参り、東の奥参り」を成しとげる意図だったのでしょうか?
ところで、芭蕉は三重県出身です。三重県伊勢市には、伊勢神宮があります。
→月山神社とうさぎ。月山中之宮 御田原神社から月山へ。アクセスと駐車場
→羽黒山の五重塔と石段2,446段の過酷さ!三神合祭殿のアクセスと駐車場
→湯殿山神社本宮「語るなかれ、聞くなかれ」の御朱印、アクセスと駐車場
月山中之宮 御田原神社(みだはらじんじゃ)
東京都新宿を22:45分に出発し、朝の5時に月山レストハウスに着きました。
「見えない!ものすごい濃霧!」
視界20mくらいでしょうか? 周りはぜんぜん見えません。月山レストハウスから約10分ほど湿原を歩いて行くと月山中之宮 御田原神社に着きます。
→月山神社とうさぎ。月山中之宮 御田原神社から月山へ。アクセスと駐車場
月山神社・本宮
羽黒山の五重塔と2446段の石段と三神合祭殿の団体祈祷
月山中之宮 御田原神社から約1時間後に、宿坊街・宮田坊に到着しました。ここで、精進料理の朝食(下の羽黒山・宮田坊の精進料理の朝食参照)とお風呂をいただき、羽黒山の石段ウォーク(2446段)に向かいます。
随神門、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン三つ星に選ばれた杉並木、神橋、羽黒山最古の建築物・五重塔と見ていきます。
そして、2446段の石段ウォーク。この石段は急な修験道で、一の坂、二の坂、三の坂と続きます。なんとか登り切り、出羽三山神社(三神合祭殿)で団体祈祷を受けられました。
→羽黒山の五重塔と石段2,446段の過酷さ!三神合祭殿のアクセスと駐車場
出羽三山神社(三神合祭殿)
出羽三山神社(三神合祭殿)を出発したバス内で、昼食「晩菊いなり(3個入り)」をいただきました。そして、芭蕉の句「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな」の湯殿山へ向かいます。
出羽三山神社(三神合祭殿)の正面には、左から湯後山神社・月山神社・出羽神社の扁額が掲げられています。出羽神社の読み方は「いではじんじゃ」です。
湯殿山神社「語るなかれ、聞くなかれ」の御神体
湯殿山は、ほとんどが撮影禁止区域になります。また、「語るなかれ、聞くなかれ」と言われるように、湯殿山の御神体については話しても聞いてもいけないのです。
ですから、湯殿山のレポートは写真も少なく、説明することもあまりできません。お許しください。
湯殿山から東京都新宿に向かう途中の羽生PA「鬼平江戸処」が、まるで江戸のテーマパークといった感じで面白かったので、一番最後に紹介しておきます。
→湯殿山神社本宮「語るなかれ、聞くなかれ」の御朱印、アクセスと駐車場
月山・羽黒山・湯殿山のご祭神とご利益など
山名 | 神社 | ご祭神 | 本地仏 | 住所 |
月山 | 月山神社 | 月読命 | 阿弥陀如来 | 鶴岡市 庄内町・西川町境 |
羽黒山 | 出羽(いでは)神社 | 伊氐波神 稲倉魂命 |
正観世音菩薩 | 鶴岡市 庄内町境 |
湯殿山 | 湯殿山神社 | 大山祇神 大己貴命 少彦名命 |
大日如来 | 鶴岡市 西川町境 |
- 月読命(ツクヨミノミコト)月、夜を統べる神
- 伊氐波神(イデハノカミ)商売繁盛、五穀豊穣
- 稲倉魂命(ウカノミタマノミコト)穀物神=宇迦之御魂神
- 大山祇神(オオヤマツミ)山岳丘陵の守護神
- 大己貴命(オオナムチノミコト)縁結びの神など=大国様
- 少彦名命(スクナヒコナノミコト)健康の神・医薬の神
三神合祭殿の御朱印
〈羽黒山・三神合祭殿の御朱印〉
羽黒山・宮田坊の精進料理の朝食
最初に宮田坊の方の挨拶があり、大きな盃に入れられた日本酒を一口ずつ回し飲みしてから、朝食をいただきます。
- 上:月山筍・しいたけ・油揚げ/蕗・さやえんどう・こんにゃく/ごま豆腐
- 中:ところてん/ブナのかのかわ/野菜の天ぷら/アオミズの和え物
- 下:お新香・ご飯・豆腐となめこの味噌汁
精進料理の品数は多く、とても美味しくいただきました。その後お風呂に入り、羽黒山の2446段の石段に向かいました。
出羽三山の精進料理とは?
月山などの奥深い山で生活するために「生きるための食」として山伏が創作し継承されている。必要な食材を山の恵みとして採集し、食材の乏しい厳しい冬を乗り越えるために、あく抜きや塩蔵保存、水出しといった時間と手間のかかる保存技術や調理方法が編み出された。出羽三山に参拝する者は、精進料理をいただいて身を清め、山へ向かう準備を整える。
(道路わきの看板から)
宿坊街の多くの建物には、特徴のある太い綱がかけてありました。これは松例祭のとき、つつが虫(悪魔)を引張って焼き捨てる神事に使った引き綱。綱をかけると、悪魔が近寄らないと伝えられています。
湯殿山神社を参拝し、帰路に着きます。新宿へは夜9時前後になります。途中、羽生PA「鬼平江戸処」によりました。ここは、江戸のテーマパークのようです。
羽生PA「鬼平江戸処」
帰りの2回目の休憩は羽生PAです。
深川にある「江戸資料館」にも、ひけをとらない情緒がありました。ちょうど休憩時間が7時過ぎでしたので、かなりいい雰囲気です。休憩1時間ほどあれば、ここで夕食をとってから帰りたいと思いました。
(トイレ休憩のため、15分間だけだったのが残念です)
江戸と鬼平
江戸では、元気であたたかく、思いやりと助け合いに溢れた暮らしが日々繰り広げられていました。そんな「江戸びと」の人情味を代表する人物のひとりが、鬼平こと、長谷川平蔵です。実在した火付盗賊改方長官で、池波正大郎氏の時代小説「鬼平犯科帳」の主人公として知られ、根強い人気を誇っています。
「鬼平江戸処」では、そんな江戸を描いた「鬼平犯科帳」の時代、江戸庶民が最も生き生きとしていた十八世紀末〜十九世紀前半の江戸の町と人情を、史実に基づき忠実に再現しました。ここに広がるのは、まさに日本人の心のルーツなのです。
(パンフレットより抜粋)
江戸の入口「栗橋関所」をくぐると、そこはもう江戸。江戸の繁栄を象徴する「日本橋大店」、下町の「本所深川」、江戸で一番賑わった「両国広小路」の屋台の連なり、鬼平が闊歩した界隈が緻密に再現されています。「鬼平犯料帳」に登場する店名もあちこちに。
屋内の町並みでは、朝・タ・夜が一定の時間ごとに訪れ、売り声や季節の音がゆったり流れます。情緒豊かな江戸世界、鬼平の物語世界が、あたかもタイムトリップしたかのようにリアルに体験できます。
終わりに
出羽三山「生まれ変わりの旅」の概略を説明しました。
- 月山中之宮 御田原神社(みだはらじんじゃ)
- (羽黒山・宮田坊の精進料理の朝食)
羽黒山の五重塔と2446段の石段〜三神号祭殿の団体祈祷 - 湯殿山神社「語るなかれ、聞くなかれ」の御神体
(羽生PA「鬼平江戸処」)
→月山神社とうさぎ。月山中之宮 御田原神社から月山へ。アクセスと駐車場